市税を一時に納付できない方のための猶予制度

市税の猶予制度とは、納税者が納期限までに納付できない何らかの原因や事情がある場合に、徴収の緩和措置としてとられる制度です。猶予制度には「徴収猶予」と「換価の猶予」があります。

【ご注意ください】

猶予制度は税金が免除・減額となる制度ではありません。当初の納期限を猶予して分割納付することを許可する制度となります。

徴収猶予

次の1から4の要件の全てに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、徴収猶予ができる場合があります。（対象者：納税義務者又は特別徴収義務者）

【要件1】次のAからFのいずれかに該当する事実があること

• A 納税者がその財産につき、震災、風水害、火災その他の災害を受け又は盗難にあったこと
• B 納税者又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと
• C 納税者がその事業を廃止し、又は休止したこと
• D 納税者がその事業につき著しい損失を受けたこと
• E 納税者に上記AからDに類する事実があったこと
• F 本来の納期限から1年以上経過した後に、納付すべき税額が確定したこと

【要件2】猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき市税を一時に納付することができないと認められること

【要件3】申請書が提出されていること

【要件4】原則として、担保の提供があること

申請による換価の猶予

次の1から5の要件の全てに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予ができる場合があります。（対象者：滞納者）

【要件1】滞納市税を一時に納付することにより、その事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること

【要件2】納税について誠実な意思を有すると認められること

【要件3】換価の猶予を受けようとする市税以外の市税の滞納がないこと

【要件4】納付すべき市税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること

【要件5】原則として、担保の提供があること

猶予が認められた場合

• 猶予を受けた市税を猶予期間中の各月に分割して納めることができます。
• 延滞金の一部又は全部が免除されます。
• 徴収猶予の場合、新たな督促や差押え、換価などの滞納処分が行われません。
• 換価の猶予の場合、すでに差押えを受けている財産の換価（売却）が猶予されます。また、新たな差押えが猶予（又は差押えが解除）される場合があります。

申請手続

猶予の申請をする場合は、期限までに次の書類を提出する必要があります。

1　申請期限

【徴収猶予】

• 先の要件1のAからEの事由に該当する場合、期限の定めはありませんが猶予を受けようとする期間より前まで
• 先の要件1のFの事由に該当する場合、納期限まで

【換価の猶予】

• 納期限から6か月以内

2　提出書類（必要な書類を提出）

猶予の申請をする場合は、期限までに次の書類を提出する必要があります。

（1）申請書

• 1 徴収猶予（期間延長）申請書
• 2 換価猶予（期間延長）申請書
• 3 申請書別紙

（2）資産及び負債の状況、収入及び支出の状況を明らかにする書類

• 4 財産収支状況書
• 5 財産目録
• 6 収支明細書（延長申請時に提出）

（3）担保の提供に関する書類（担保が必要な場合）

• 7 担保提供書（物件の場合）
• 8 保証書（保証人の場合）
• 9 担保内訳別紙

（4）災害などの事実を証する書類（徴収猶予の場合）

• り災証明書、医療費の領収書、廃業届、決算書など

【注意事項】

上記のほか、個別に必要な書類がある場合は提出をお願いします。

担保の提供

猶予の申請をする場合は、原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要がありますが、次に該当する場合は、担保提供をする必要はありません。

• 猶予を受ける金額が100万円以下である場合
• 猶予を受ける期間が3か月以内である場合
• 担保として提供することができない特別の事情がある場合

猶予期間の延長

猶予期間内に完納することができないやむを得ない理由があると認められる場合は、申請によって猶予期間の延長が認められる場合があります（ただし当初の猶予期間と合わせて最長2年まで）。

猶予の取消し

次のような場合に該当するときは、猶予が取り消される場合があります。

• 「猶予許可通知書」に記載された分割納付計画とおりの納付がない場合
• 猶予を受けている市税以外の市税が新たに滞納となった場合など

猶予が取り消されると担保を徴している場合は担保財産を処分して徴収金等に充てることになります。